誰にも渡さない
隣にいていいのは 俺だけだから
Love Ring 2
「、どこに行くの?」
「公園〜!」
「夕飯は?」
「リョーマ君と食べてくる〜」
今日は日曜日。
大好きなリョーマ君は、朝から夕方まで部活一本。
昨日は部活が休みだったらしいけど、リョーマ君、用事があったみたいで遊べなかったんだよね。
たとえ時間が短くても、土曜か日曜のどっちかは必ず会うって二人で決めてるから、部活後でも会うんだ。
四時に部活が終わって、リョーマ君はいったんお家でシャワーを浴びてくるから・・・
五時に近くの公園で待ち合わせ。
TVを見ていたらあっという間に時間が過ぎちゃってて、急いでしたくをする。
「遅くならないようにするのよ〜!」
「はーい!」
玄関の扉を閉める直前に聞こえた、お母さんの言葉に返事をして。
携帯をバッグに入れて急いで家を出た。
「リョーマ君!」
公園のベンチで一人ファンタを飲んでるリョーマ君を見つける。
手を振ると、笑って私にファンタを差し出してくれた。
「走ってノド乾いてるんじゃない?」
「えへへ・・・ありがと」
爽やかなグレープ味でノドを潤す。
隣に座ると、リョーマ君の髪からシャンプーの香りがした。
(・・・あれ?)
いつもバッグは持ち歩かないリョーマ君。
だけど、今日は小さな袋を持っている。
紙袋・・・?
でも形はしっかりしてるから、プラスチック製かな?
ちょっと気になるけど、それ以上にリョーマ君の態度が気になった。
なんだか、落ち着かない感じ。
・・・そわそわしてる?
あのリョーマ君が?
何かあったのかな?
あれこれ思案をしていると。
「」
「へ??」
気付けば、リョーマ君が私をじーっと見ていて。
そして一言。
「はさ、誰の彼女?」
「・・・・・・・え!?」
・・・いきなり何〜!?
そんな・・・改まって聞かれると恥ずかしくて答えられないよ!
「ねぇ、誰の?」
「えっと・・・・・・・・・リョ・・・・・リョーマ君・・・・・の・・・・・」
恥ずかしくて目を合わせられない。
下を向いて言うと、「ちゃんと俺の目を見て」と言われて。
「やっ・・・リョーマ君・・・」
「答えてよ、・・・」
夕方の公園なんて、決して人が少ないとは言えないのに。
なのに、リョーマ君は両手をつないで離してくれない。
「・・・・リョーマ君の・・・・・・・彼女・・・・・・・ですっ・・・・・・」
半涙目になってなんとか目を合わせ、ちょっぴりヤケになって言うと、リョーマ君はようやく手を離してくれた。
思わずホッとして息を大きく吐く。
顔がすごく熱いよぉ。
「をさ・・・俺のものにする、とは言わない・・・」
「・・・・・・?」
「は、だろ?人間はものじゃない。俺は隣を歩ければそれでいい・・・だけど」
「・・・リョーマ君・・・?」
「は俺の彼女、っていう事実を、周りに分からせたい」
そう言うと、リョーマ君はあの袋を私に渡す。
よく見ると、袋についてるロゴは私が大好きなアクセサリーショップのもので。
「・・・・見て?」
リョーマ君の言葉にうながされ、袋の中に手を入れる。
四角く硬い感触にあたり、そっと持ち上げてみると。
ピンク色のリボンがかけられた、真っ白い小さな箱で。
「え・・・?これ・・・・・」
思わずリョーマ君を見る。
「開けてよ」
ドキドキする胸を押さえ、リボンを優しくほどく。
箱を開くと、そこには・・・・
「・・・・リョーマ君・・・・あの・・・・」
「つけて。それとも、俺がつけようか?」
そこには、小さなシルバーのピンキーリングがひとつ。
細身で、すごくシンプルなデザイン。
裏側には、リョーマ君と私の頭文字が彫られている。
驚いて固まったままの私に苦笑して、リョーマ君がリングをとる。
「は・・・俺の彼女だから。隣を歩くのは、いつも俺であるように・・・」
左手の小指に、優しく嵌めてくれて・・・・。
「え・・・リョーマ君・・・・なんで・・・・?いい・・・の?」
「に近寄る虫が減りますよーに。薬指は、とっておきたいっしょ?」
小指に光る、小さなリング。
「・・・・・ありがとう、リョーマ君・・・・」
他に言葉が見つからなくて。
涙がポロポロ流れてくる。
「・・・ナキムシ」
「だって・・・」
いじわるなリョーマ君の言葉も、今日はいつも以上に優しく聞こえる。
大好きなリョーマ君からの、初めてのプレゼント。
左手の小指にさり気なく嵌められた、ピンキーリング。
まるで、いつも彼がそばにいるようで。
どんなに高い宝石よりも、私の大切な宝物になる。
*おまけ*
「・・・そっかぁ。それでが、私にいろいろ指輪をつけさせたんだぁ」
「そ。ピッタリでよかったよ」
「ほんとピッタリだよ♪・・・でも、どうして指輪なんて・・・?」
「だから虫よけだって」
「虫よけって言っても・・・そんなに・・・」
「モテすぎなんだよね。俺の苦労分かってよ」
「も・・・もて・・・!?」
「自覚ある?」
「・・・自覚もなにも、私たいしてモテてないと思うけど・・・。
ってゆーか、リョーマ君の方がモテると思うけど・・・・」
「・・・・・・・・」
「リョーマ君??」
「・・・ま、とにかく虫よけだから、その指輪。・・・あんま高いもんじゃないけど・・・」
「ううん・・・本当にありがとう!すっごく嬉しいよ!」
「・・・効果、あると思うんだけど」
「虫よけの?」
「・・・他にも、いろいろ」
「???」
左手の小指に指輪をつけるのは、恋のお守りに最適なんだってさ、。
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一応付き合い始めた頃のオハナシ。
左手の小指に指輪をつけるのには、
「恋人・愛・出会い・恋人との仲を大切にする・願望達成・お守り」
といった意味があるそうです。
その意味を不二に教えてもらったリョーマ。
虫よけと同時に、さんとの仲を大切にする、そして
自分とさんの恋が守られますように、という意味も含めてだったんですね。
薬指ほど効果はありませんが、さんに近づく虫はちょっとは減ったみたいです(^^)
それにしても甘いなぁ・・・書いててちょっと恥ずかしかった(笑)