「まじでどーしたらいいと思います?」
「・・・お前のろけてんのか?」
「桃、越前は本気で悩んでるんだよ」
「幸せな悩みだにゃ〜おチビのくせに〜!」
幸せな悩みだろーが、悩みは悩み。
俺は小さく溜息を吐いて、ハンバーガーにかぶりついた。
Love Ring
部活帰りのハンバーガーショップ。
桃先輩に誘われたら、不二先輩と菊丸先輩もついてきた。
がいないのは、今日はクラスの女子と帰ったから。
はいろんな友達と仲いいから、毎日俺の部活が終わるまで待ってるわけじゃないんだよね。
まぁ、週に三・四回は俺と帰ってるけど。
「別にのろけてるわけじゃないっスよ」
すでに五個目のハンバーガーにかぶりついてる桃先輩。
せわしなく口を動かしてるけど、一応俺の話は聞いてくれている。
「あれだろ?つまり・・・不安ってことか?」
「そーゆーんじゃないっス。そうじゃなくて、がモテすぎるんスよ」
そう。
俺の悩みはずばりそれ。
は性格が良くて容姿もいい。
誰にでも平等に接するから、誰からも無条件で好かれる。
おまけにモデル顔負けの容姿だから、を好きになるヤツが後を絶たない。
俺と付き合ってから告白される回数は減ったらしいけど、月に二・三回は必ず告白される。
学内のヤツはもちろん、他校のヤツまで。
もちろん、はちゃんと断ってるけど、俺としては不満が溜まるいっぽう。
は俺の彼女なのに、他の男に告白されると腹が立つ。
に腹がたつんじゃなくて、その男にね。
「でも越前、モテるのはさんが悪いわけじゃないよ」
「それは分かってんスけど・・・」
「じゃあさっ、なんか俺のもの!って分からせればいいんじゃない?」
菊丸先輩が俺のポテトを取り上げる。
「たとえば?英二」
「ん〜・・・指輪とか?」
指輪・・・?
「なんで指輪なんスか?」
「お前そーゆーのにうといなぁ、おい」
「ちょっと黙ってくださいよ、桃先輩」
桃先輩、声がでかいから店中に聞こえてるんだよね。
「女の子って、彼氏からもらった指輪を左手の薬指にはめてるんだよ」
「そうそう!んで、女の子が彼氏から欲しがるものも指輪が多いんだよね〜」
「薬指?それって・・・」
「うん。結婚指輪は薬指だけど、今は彼氏にもらった指輪を左手の薬指にはめる子もいるんだよ」
「ふ〜ん・・・」
は指輪が欲しいなんて一言も言ってなかったけど・・・やっぱ欲しいもんなのかな。
「つまり・・・いいかい越前?薬指に指輪をはめてるってことは、彼氏がいるってことなんだ」
「指輪つけてる女の子に告白する男はそうそういないって!おチビもちゃんに指輪あげたら?」
「も女だし、光り物好きなんじゃねーか?」
「きっと告白される回数は減るんじゃないかな」
なんか不二先輩が言うとほんとにそんな気がするんだけど・・・。
でも・・・・・・薬指か・・・。
「まだ悩んでんの?おチビ〜」
「・・・・・・・・・」
「薬指のこと?」
・・・・・・・不二先輩、心読んだんスか?
「・・・・そうっス」
「まぁ女の子にとっては大事な場所だからね、薬指は」
「彼氏がつけてほしいからって、ムリに薬指につけさせるのはいけねぇな、いけねぇよ」
「それはさんにちゃんと聞かなきゃね」
それじゃあに指輪をあげることが分かる・・・。
どうせあげるなら内緒にしていたいけど・・・しかたないか。
「あ、俺知ってるぜ?」
「何がっスか?」
「、薬指にはつけたくねーって。結婚指輪だけでいいってよ。と話してるの聞いたんだ」
「桃もたまには役にたつにゃ!」
「どーゆー意味っスか英二先輩!」
「どうする?越前」
ギャーギャー騒ぎ始めた菊丸先輩と桃先輩を押しのけて、不二先輩が俺に耳打ちする。
「指輪あげたいっスけど・・・薬指にできないんじゃあ意味ないっスよね」
食べかけのハンバーガーをかじる。
内心、少しがっかりした。
だけど、不二先輩はそんな俺を見て笑みを浮かべる。
そんなことないよ、っていう顔だ。
「越前・・・何も薬指につけなくてもいいんだよ。彼氏がいる女の子が何かアクセサリーをつけてたら、
たいてい彼氏からのプレゼントだって思うよ。特に指輪は」
「・・・そうなんスか?」
「そういうものだよ。それに・・・・」
不二先輩が、俺の目の前に左手を広げた。
「ここにつけても、効果はあるはずだよ」
そこは、恋のお守りにも最適な場所。
「僕も協力するよ」
* * * * * * * *
「越前、サイズ分かったよ。それと・・・はい、これ」
「・・・・なんスか、これ」
不二先輩に、「協力するよ」と言われた次の日。
図書委員で部活に少し遅れた俺に、不二先輩が爽やかな笑顔で告げて。
俺の手に「それ」を渡した。
「さんも協力してくれたんだ。「それ」はさんが持ってる指輪・・・
それと同じサイズのを探せば、さんの指にピッタリなのが見つかるはずだよ」
どうやらこの指輪をの「あの指」にはめたらしい。
・・・って。
「・・・バレたんじゃないんスか?」
「まったく。さんがさりげなくその指輪と、他のサイズのを学校につけていってね、
『にも似合うんじゃない?』とかなんとか言って色々つけさせたみたいだよ」
たまにはあの先輩も役にたつみたいだね。
でもまぁ・・・これで指輪を買う材料はそろったわけだ。
に近づく虫がさっさと減ってほしいね。
「さんの好みとかさり気なく聞いて僕に教えてくれたから・・・明日にでも、買いに行くかい?」
先輩の指輪をポケットに入れ、俺は頷く。
不二先輩が肩をすくめて笑った。
「ほんと、越前はさんにご執心だね」
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まったくだ(笑) さん出てこなくてごめんなさい(><;
次で完結になります〜