別に電話やメールをしてまで話すことない。
連絡だって、公衆電話あるから取れるじゃん。
携帯なんかに、自分の時間とられたくないんだよね。
母さんは買ってくれるって言うけど、今のところ必要ナシ。
携 帯 小 話
「やっほーおチビ!」
「やぁ越前、さん」
昼休みの屋上で。
俺との二人で昼飯を食べていたとき、不二先輩と菊丸先輩が屋上のドアを開けてやってきた。
・・・邪魔・・・なんだケド。
「菊丸先輩に不二先輩!こんにちは〜」
は弁当を食べる手を止め、二人に明るく挨拶をする。
俺も軽く頭を下げた。
・・・って、不二先輩、座るのはいいんだけどなんでわざわざの隣に行くわけ?
普通俺たちが並んで座ってたら、目の前に座るもんでしょ。
ちょっとムカついて、俺はもっとの傍に寄った。
「おチビ、い〜の食ってんじゃん!」
「あげないっスよ」
俺の右隣に座った菊丸先輩に、弁当の中身をとられないよう俺は少し体を左に向ける。
何しに来たわけ?この人たち。
体を左に向けると、目線は自然とと不二先輩の方に向いて。
俺と目が合った不二先輩は、まるで見計らったように口を開いた。
「桃から聞いたんだけど、さん、携帯買ったんだって?」
・・・・・は?
「うん!昨日買いに行ったんです♪」
・・・初耳なんだけど。
「ちゃん携帯買ったの!?番号教えてよ!」
俺の弁当からへと目標を変えた菊丸先輩がはしゃぎだす。
「あ、僕にも教えて?」
「はい!」
そう言って、は嬉しそうにスカートのポケットから新品の携帯を取り出した。
細身のデザインで、の好きな薄いピンク色だ。
買ったばかりだからか、ストラップはまだついていない。
「うわっ、一番新しいやつじゃん!」
「さんらしい色だね。じゃあ赤外線で・・・」
まったく会話についていけないし・・・。
っていうかのやつ、いつの間に携帯買ったんだよ!
昨日日曜だったから、親と買いに行ったのかな・・・俺には買うなんて一言も言ってかったし。
・・・・・・・・いや、別に言ってほしいとかじゃなくて。
なんかさ、は俺の彼女なのに、他の男に先越されるのってイヤなんだよね。
番号とアドレスを交換し終わったらしい二人は、「じゃーねおチビ!ちゃん!」「またね、二人とも」なんて言
いながら教室に戻っていった。
どうやらの携帯番号とアドレスを聞くためだけに屋上に来たらしい。
は食べかけの弁当そっちのけで、何やら携帯にいそしんでいる。
・・・弁当そっちのけって言うより、俺そっちのけ。
「いつ買ったの?」
自分の独占欲の強さに呆れながらも、俺は携帯の画面に見入っているに声をかける。
「ん・・・・・昨日。お母さんと買いに行ったんだ」
作業を終え、は再び弁当に箸をつけた。
「ふーん・・・」
やっぱりね。
「・・・ほんとはね」
頬を染めたが口ごもる。
「ん?」
「・・・リョーマ君に一番初めに言いたかったんだ。携帯買ったよ、って」
でも言うの忘れちゃってた、と恥ずかしそうにモゴモゴ言う。
その瞬間、俺の醜い独占欲のかたまりが消えていくのを感じた。
・・・俺ってこんな単純だったっけ。
「ね、リョーマ君は携帯買わないの?」
「・・・別に必要ないし」
ちょっと素っ気なく言って、弁当を食べ続ける。
そっかぁ・・・と少し残念そうにがつぶやいた。
この時点で、すでに俺の心は決まってたのかもしれない。
自分には大して必要ない、だからいらないと思っていたのに。
今日の部活で、不二先輩と菊丸先輩がの携帯のことを話してて。
毎日メールしちゃおうかな、とかふざけたこと言ってる菊丸先輩にツイストサーブをかまして。
越前はまだ携帯持ってないの?なんて白々しく聞いてくる不二先輩に、めちゃくちゃ無愛想に答えて。
お前も早く携帯買えよ、っていう桃先輩の言葉に。
俺は小さくうなずいた。
もちろん、にはまだ内緒。
周りにどんなに言われても、欲しいとも思わなかったのに。
が携帯持ってるっていうだけで、気持ちはこんなにも容易く変わる。
「俺もまだまだだね」
これが愛の力ってやつ?
*おまけ*
「ねぇ英二。越前が携帯買ったんだって」
「にゃ?おチビもやーっと買ったんだ。遅いな〜」
「まだ見てないんだけど、乾の情報によるとさんと色違いらしいよ。シルバーだって」
「う〜ラブラブだにゃ!くっそ〜一年のくせに〜」
「アドレスもって文字入ってるんだって」
「にゃ!?おチビってそんなやつだったんだ・・・」
「まぁ、さん関係になるとね」
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・・・だそうです(笑)
そんなわけで、当サイトのリョーマ君は携帯所持しております。
っつーか激しく駄作だ・・・;